Future Store ”NOW” 2025-2026
第2回推進協議会
開催レポート
「Future Store “NOW” 2025-2026第2回推進協議会」が、2026年1月22日(木)にエッサム神田ホール2号館(東京都千代田区)で開催されました。今回もインターネットライブ配信が行われ、オフライン&オンラインで小売業者様、ソリューション企業様がご参加くださいました。
今回は「高付加価値化と利益率改善(Value Creation & Profitability Improvement)」をテーマに、外部有識者による講演やディスカッションなどを行いました。
※本レポートの内容は推進協議会実施時点の情報であり、各登壇者コメントの著作権は各社に帰属いたします。
~ご挨拶・アジェンダ説明~
開催にあたり、一般社団法人全国スーパーマーケット協会の事業部 担当部長・富張哲一朗より挨拶がありました。
「2026年の初回ということで、改めまして本年もどうぞよろしくお願いいたします。今回のテーマは『高付加価値化と利益率改善』です。お客様の購買行動の変化にあわせて、提供価値をどう創造していくのか、売り場をどう変化していくのか、ぜひご参加の小売業の方々からも、ご意見をいただければと思います。また、全国スーパーマーケット協会としては2月に第60回目のスーパーマーケット・トレードショーを幕張メッセで3日間開催させていただきますので、ぜひ皆様のご来場お待ちしております」(富張)
Future Store “NOW”事務局・三田裕道(博報堂プロダクツ)からは、式次第とアジェンダの説明がありました。
「まずはFuture Store “NOW”アドバイザーの佐藤から本日のテーマに関してご説明いたします。基調講演では『健康をめぐる食ビジネスはどう進化するか』として、株式会社ローランド・ベルガー様にご講演をいただきます。その後、『高付加価値化と利益率改善に向けた取り組み』の事例紹介として、BIPROGY株式会社様からお話をいただきます。休憩を挟みまして、高付加価値化と利益率改善についてディスカッションを行います。その後、次回以降の推進協議会のご案内をさせていただきまして、最後に全国スーパーマーケット協会の村尾事務局長からご挨拶をいただきます。本日もどうぞよろしくお願いいたします」(三田)
【基調講演】健康をめぐる食ビジネスはどう進化するか
2050年には人口減少により、これまでのように販売数量を拡大させていく「数量×低粗利」の収益モデルが困難になると予想されます。そこで独自性や環境価値、利便性、信頼性といった、「顧客が支払う価値」を創造し、高粗利の収益モデルに転換・移行していくこと、つまり「高付加価値化と利益率改善」の実現が、地域スーパーマーケットとしての生き残りの条件になりそうです。
この先の未来の「顧客が支払う価値」について、どのようなアプローチが考えられるのでしょうか。1つめのアジェンダは株式会社ローランド・ベルガー シニア・パートナーの松本渉氏による講演です。
ローランド・ベルガー社は、自動車産業をはじめ、さまざまな産業領域で幅広い支援実績を持つ欧州発の経営戦略コンサルティングファームです。食・農業の領域においても「Farm to Fork(ファーム・トゥ・フォーク:農場から食卓まで)」と呼ばれるバリューチェーンの上流から下流まで、幅広い支援実績があります。
2050年に世界の酒類消費量は1/2に
食産業の未来トレンドとして、松本氏にいくつかの市場変化を解説いただきました。ひとつは、世界の酒類消費量は2050年に半減するという予測です。
「若年層を中心とした嫌酒トレンド、健康意識の高まり、WHO(世界保健機関)による情報発信、その国での販売や広告に関する規制や酒税の引き上げなど、さまざまな要因があります。実際、欧州ではお酒に対する規制強化が経済に反映され、いっそう嫌酒トレンドに拍車がかかっています」(松本氏)
「肥満」と「加齢」に金が集まる
アルコールビジネスの市場は縮小していく予測がある一方、市場の拡大が予測される未来トレンドとして「肥満」と「加齢」についても解説いただきました。
「国が豊かになるほど高齢化が進む傾向があり、医療費の削減が社会課題になっていきます。メタボリックドミノという考え方をご存じでしょうか。個別の病気に関する医療費を削減するのは難しいため、さまざまな病気の根っこにある肥満をやっつけようということです」(松本氏)
アメリカではMAHA(Make America Healthy Again)というプロジェクトもあり、政府や公的機関が主導する取り組みも進められているそうです。
「補助金が投入されたり、食品に使用できる成分の規制などが進んだりすると、食品メーカーも注力せざるを得ません。市場が大きくなれば、日本にもその波はやってくると思います。加齢については、身体機能が低下すると、病気やケガのリスクも高まりますので、医療費削減の文脈から同様に市場の拡大が予測できます」(松本氏)
「診断」は、小売業にとってのビジネスチャンス
生活者の「肥満」や「加齢」のニーズに応えるためのキーワードとして、松本氏は「診断」を挙げています。
「従来の診断は医療行為が主流でしたが、今後は健康増進や病気予防のために、どのような日常生活・食生活を送るべきかを教えてくれる診断、アプリやデバイスなどで数値として提示することが重要になると思っています」(松本氏)
その背景には「健康食品は信用されていない」、「メーカー発信の情報は信用されていない」というインサイトがあるそうです。
「健康が大切と言われながら、実は健康食品の市場はあまり伸びていません。これは『私にとって必要なものが何だか分からない』ということだと思います。食品メーカーが何々の成分が大事とアピールしても『自社の商品を売りたいからでしょ?』と懐疑的な見方をする生活者は多くいます。信用できる中立的な形で示してほしいというニーズは非常に高まっています」(松本氏)
未病と病気になった後、2タイプのプラットフォーマーの出現
中立的な立場から生活者の健康増進にアプローチする小売業の例として、松本氏はアメリカの事例に触れました。
「Amazonは未病の領域にフォーカスし、Walmartは薬局チェーンなど病気になった後のソリューションにフォーカスし、関連企業を巻き込んだ健康プラットフォームを作り始めています。こういう将来像があるとしたら、皆様の企業はどういう風に関わっていけるのか、考えていくのがいいと思います」(松本氏)
食品だけではない、運動や睡眠もからめた総合的なソリューションが求められている
生活者に信用される健康プラットフォームを構築するには、食品だけに偏るべきではないと松本氏は指摘します。
「私が健康になるためには、運動をしたり、睡眠をきちんと取ったり、そういうことも必要になります。そこまで含めた診断・行動変容の総合的なソリューションを、小売業が起点となって提供できたら付加価値というのは増していくのではないでしょうか」(松本氏)
実現のためには食品だけでなく、運動や睡眠、ITベンダーなどさまざまなプレーヤーとの連携が必要になりますが、松本氏は自社だけで完結する必要はないと言います。
「日本の地域スーパーマーケットは群雄割拠の状況です。商圏の異なる地域スーパーマーケット同士であれば競合関係にないので、ITインフラを共通化しながら、こういったビジネスモデルを目指していくことはできると思います」(松本氏)
店舗が健康ハブステーションになる
日本ではこれから予防医療、在宅医療、介護の市場も大きく膨らんでいくことが予想されています。地域スーパーマーケットの店舗がこれらのサービスのハブとなるワンストップステーションになることも、生活者にとっての付加価値を高める動きになると松本氏は言います。
「あそこに行けば何を食べたらいいかわかる。介護サービスを発注できる。薬剤師に相談できる。ドラッグストアはそこを目指して、すでに動き始めています。食品スーパーマーケットが健康ハブステーションと呼べるような姿を目指してもいいのではないでしょうか」(松本氏)
健康管理や診断からはじまり、予防医療のサポートにつなげていく。さらには買い物支援や在宅医療や介護、地域医療との連携など、地域スーパーマーケットが担える役割もありそうです。
今回お話しいただいた内容のもとになる調査データ・レポートは、ローランド・ベルガー社のウェブサイトで公開されています。
※参考
アルコールビジネスの未来
食産業の未来(グローバル各国の食と健康 ~未来予測と事業機会~)
小売りビジネスの未来
質疑応答
ローランド・ベルガー社の講演を受けて、感想や質疑応答がありましたので、いくつかご紹介します。
「診断でいうと、健康状態が数値として見えることが、お客様にとって大事なのかなと思いました。定期的に人間ドックで数値が見えて、結果が良くなると、毎日の習慣も変わりますし、お客様にもそのような形でお店を利用していただければいいのかなと思いました」(A社様)
「欧州ではエコスコア(製造工程における環境負荷のスコア)やニュートリスコア(栄養価の5段階評価)といったものが普及しています。単体の企業によるものではなく、業界の基準として各社が採用していて、採用しないとお客様に買ってもらえないんですね。数字として見えることは、やはり大事だと思います」(松本氏)
「日本は海外に比べて医療費が極端に安く、未病や健康増進よりも、体を壊してから病院に行く傾向が高いのかと思います。こうした国民意識や、薬事法の問題で、『これに効きます』と言えないことも多く、健康へのアプローチは悩みどころです」(B社様)
「いろいろな調査をしますと、日本の方も健康意識や取り組みたい意向は高いです。ただ、メーカーの言っていることに懐疑的というのは、根強くあります。複数の企業が足並みを揃えてニュートリスコアのような共通の基準を小売業がお客様に提示していくと、信頼が得やすくなり、買ってもらえるようになる可能性はあると思います」(松本氏)
【事例紹介】高付加価値化と利益率改善に向けた取り組み
2つめのアジェンダは、BIPROGY株式会社によるソリューションと事例の紹介です。相馬大作氏、野部料一氏にご紹介いただきました。
BIPROGY株式会社(旧:日本ユニシス)は、システム開発会社として、金融や公共インフラをはじめ、さまざまな業界のお客様の支援をしています。製造・流通の分野でも基幹システムからフロント側のシステムなど40年ほどの支援実績があるそうです。
AI自動発注(AI-Order Foresight)
利益率改善に向けたダイナミックプライシングの実装として、AI自動発注(AI-Order Foresight)をご紹介いただきました。
「お客様に『自動発注って自動じゃないですよね』という話をしていますが、どうしても現場の方や本部の方が発注数を修正するケースはあります。人の手が必要だったところをAIでやるソリューション、それがAI自動発注です」(相馬氏)
AIが自動で商品に最適な予想モデルをシミュレーションして決定するそうで、導入企業では、発注作業時間の50%削減や、在庫数の20%削減、4%あった欠品率が約1%に削減できたケースもあったそうです。
フレッシュオプティマイザー(自動値引きシステム)
続いてご紹介いただいたソリューションは、フレッシュオプティマイザー(自動値引きシステム)です。こちらは電子棚札を活用した見切り業務の自動化ソリューションです。
「現在テスト中のソリューションですが、事前に設定した時間帯になったら自動的に値引きをする仕組みです。惣菜の製造時間ごとにロケット、自動車、新幹線のイラストのマークを商品に付けて、時間帯によって値引率を変える仕組みです」
将来的には、在庫数を基準に「今何%するのが適正なのか」を精緻化して実装していくことを検討しているとのこと。
ニーズコネクト ※2026年3月ごろリリース予定
続いて、データ駆動型のPB商品開発ソリューションとして、ニーズコネクトをご紹介いただきました。
「生活者の意見を吸い上げることにフォーカスしたアプリケーションを開発しました。既存のアプリに対して提供するソリューションで、ID-POSとの連携を前提としています」(相馬氏)
既存のアプリで使用できるため、生活者は購入した商品の評価やコメントをつけられるそうです。
「蓄積した評価やコメント、購入者の属性データをもとに、月1回程度生成AIがレポーティングする機能も実装する予定です」(相馬氏)
ショッピングサポート ※企画中
続いてのソリューションは、ショッピングサポートです。
「現在企画中にはなりますが、生活者ごとにパーソナライズ化された情報を提供して、店舗やネットスーパーに誘導し、収益の拡大を目指すことをコンセプトにしています。買い物レポートでは、お客様のID-POSと連携して、どういったものを購入しているのかを可視化します。また、購買履歴などのデータをもとに『こんなレシピはどうですか?』と提案する機能や、必要な材料の買い物リスト、実店舗のどこにあるのかを案内する店内サポートなどの機能を検討しています」(相馬氏)
電子棚札を活用したソリューション連携
最後に、電子棚札を活用したソリューション連携の事例をご紹介いただきました。
・お客様のレビュー(ニーズコネクト)の販促活用
・基幹マスターデータ/データウェアハウスと連携した販売実績データの販促活用
・販促アプリへの誘導、キャンペーン参加促進
・電子棚札による棚割り情報を活用した品出し作業や販売期限チェック
質疑応答
BIPROGY社の事例紹介を受けて、感想や質疑応答がありましたので、いくつかご紹介します。
「年配のお客様には、電子棚札の文字は小さいように思いますが、視認性に関する調査データはありますか」(C社様)
「導入後の販売実績を比較し、どれだけ購買に影響があるのかという調査をしたことがあります。見やすいかどうかだと、紙のほうが見やすいですが、販売実績にそこまで影響はないという結果でした」(相馬氏)
「フレッシュオプティマイザーのロケットや新幹線といったマークの違いについて、お客様がわからないことはありませんか」(D社様)
「写真の中には映っていませんが、コーナーの入り口にサイネージも用意していまして、それもあってか9割以上のお客様は問題なくわかったというデータもあります。このあたりは我々もブラッシュアップしていきたいと考えています」(相馬氏)
「顧客生涯価値の最大化(LTV Maximization)を実現するために、地域スーパーマーケットが取り組むべき具体策を、さまざまな角度から10のゴールイメージとして用意しました」(佐藤氏)
また、例えば今年、2030年までの事業計画を作成する、5か年計画を作成するといった際は、2030年を見るのではなく、2040年、2050年の市場環境を見据えて準備する必要があると佐藤氏はアドバイスします。
「自社でカバーできない領域は、外部ソリューションとのマッチングができる仕組みも準備しています。スーパーマーケット協会の正会員様は無料で利用できますので、ぜひご活用ください」(佐藤氏)
ビジョン「2050年への挑戦」〜 高付加価値化と利益率改善のゴールイメージと、小売業者様によるディスカッション
3つ目のアジェンダでは、高付加価値化と利益率改善(Value Creation & Profitability Improvement)の実現に向けた10のゴールイメージに関して、会場にいらしている小売業者様とオンラインでご参加いただいている小売業者様、ソリューション企業の皆様とのディスカッションが行われました。ファシリテーターはFuture Store “NOW” DX推進アドバイザー・佐藤健一氏が務めました。
10のゴールイメージの紹介と、各ゴールイメージについて、自社で注力しているか、どのような取り組みをしているか、共有とディスカッションを行いました。たくさんの参画企業の皆様が回答くださったので、ここでは発言の一部と、特に議論が活発に行われたものをご紹介します。
次世代フード戦略展開
ゴールイメージ:
植物由来食品・培養肉など次世代タンパク質商品群を健康志向層・環境意識層・Z世代向けに展開。自社PB商品として高粗利率(35〜45%)と新規顧客開拓を同時実現。「食品販売業」から「次世代フード小売業」へ進化。
「食肉の代替商品にトライしたことはありますが、あまり売れなかったのでやめてしまいました。こうした新しいものはある程度アイテム数がそろわないとコーナーにならないですし、当時はまだ輸入肉の値段もここまで上がっていなかったので。ただ、準備はしていこうと思います」(E社様)
ダイナミックプライシング実装に関する発言
ゴールイメージ:
需給バランスに応じて商品価格を自動変動。AIが天候・曜日・在庫・鮮度を統合分析し1日複数回価格を最適化。廃棄・値引きロス30%削減、粗利率2〜3%改善を実現。電子棚札で価格変更を即時反映。
「電子棚札のリスクとしては、初期投資の大きさがあります。1日の中で価格が変動するとなると、お客様視点からは価格に対する不信感もあるのではないかと考えています。国内外の事例も多くあります」(佐藤氏)
データ駆動型PB商品開発
ゴールイメージ:
顧客購買データ・SNSトレンド・レビュー分析を統合し「売れる商品」を高精度予測。企画から市場投入まで3か月以内のスピード開発。ヒット率70%超、PB粗利率40%超・売上構成比30%超達成。
「イギリスの小売業の中には、クラブカードを持つお客様にマイページを提供し、そこから意見を収集する仕組みあります。お客様のニーズにあわせてPB商品を開発していく流れがあります。お客様の所得層にあわせて3種類のPBが存在しています」(佐藤氏)
地域産産直ネットワーク構築
ゴールイメージ:
地域生産者と10年長期契約を締結し「顔の見える関係」で安定調達網を構築。天候不順時も優先供給確保。中間マージン30%削減、地域自給率40%達成。「農業×小売」の共存共栄モデル確立。
「近郊の農家さんとは、産直の商品を売るだけではなく、お客様参加型の農業体験やデジタルサイネージで顔を出すといったことで関係強化を図っています。仕入れについては、異常気象で採れるはずの野菜が採れない問題も増えています。商品が集まらないことに対するリスク回避として、産直の比率を上げるだけではなく、市場の比率もバランスを取る必要を感じています」(A社様)
アップサイクル商品開発
ゴールイメージ:
規格外野菜・魚アラ・売れ残りパンを新たな価値商品に転換。「もったいない精神」をビジネスモデル化。年間売上の5〜8%規模のアップサイクル事業確立。粗利率40〜50%(原価ゼロに近い)達成。
「アップサイクルは、先ほどの未病などよりも日本のお客様に合っているテーマだと思います。当社でも各店舗に捨てる物はあるのですが、それを一箇所に集めるための物流コストやタイミング、物量が課題になりました。地域で取り組むことはできてもマスで取り組むとコストが高くなってしまうんです」(B社様)
「近隣の農業高校で作った和牛は周りの5店舗で順番に販売しています。出てくる量もタイミングもこちらで指定できないので、チラシにも入れず、物が出てきたらそっと店頭に置くという形です。お客様にもきちんと説明すると、常に店頭になくても納得してくださいます」(E社様)
環境再生型農業支援
ゴールイメージ:
リジェネラティブ農業(循環再生型農業)取組生産者を優先支援。有機栽培・不耕起栽培農産物をプレミアム価格(通常比130〜150%)で販売。CO2削減60%達成農産物を「土壌炭素貯留認証マーク」で差別化。
「お米でも特別栽培米や無農薬米もありますが、日本のお客様の優先順位が高いのは特A米です。環境配慮型商品に対する付加価値についても、お客様は総論では賛成でも、いざ自分ではお金を払わないというのがジレンマです」(B社様)
ブロックチェーン・トレーサビリティ
ゴールイメージ:
生産→加工→流通→販売の全プロセスをブロックチェーンで記録。QRコード1つで産地・生産者・農薬使用履歴を2.2秒で確認可能(従来数日)。食品偽装・産地偽装を技術的に防止し絶対的信頼を構築。
「2050年に向けて重要なテーマですが、ブロックチェーンはHow論だと思います。誰がどうやって作ったのかということが明らかにならない限りは、この市場は立ち上がりません。当然、初期投資はかかってくるので、生活者がそこに対してありがたみを感じるのか、商品の値段が300円、500円高くなっても、透明化を求めているのかどうか、ということだと思います。現状はそのステータスではない認識です」(ローランド・ベルガー社 藤橋氏)
「スーパーマーケットの食料品では、将来的には必要だと思います。衣料の場合は、企業として素材の調達や縫製など、適切な労働で作られたかどうか(フェアトレード)が求められていますので。コーヒー豆でも、適切な農園で、適切な労働力で作っているものなのかっていうのは、社内で求められています。一般のお客様との温度差はまだあると思います」(F社様)
サーキュラーパッケージ戦略
ゴールイメージ:
プラスチック容器使い捨て全廃。リユース容器・生分解性素材・量り売りを標準化。容器返却で「デポジット還元」、マイボトルで「割引」提供。容器コスト30〜40%削減、量り売り粗利率+5%達成。
「捨てる場所に困っているお客様もいるようで、宅配ダンボールの回収は多くの量が集まります。回収したものがこういうものに生まれ変わりました、どれくらいの量が集まりました、という情報発信も強化していきたいです」(A社様)
「当社は年間の回収量をホームページに掲載しています。日本のお客様は、リユース容器自体に付加価値を見いだすというよりは、ただ高いというイメージを持っている方が多い印象です。リサイクルや資源回収という点では、店頭で捨てられることが販促や来店のきっかけになるので、ポイントを付与するような取り組みも進んでいるのかなと思います」(B社様)
「今回の内容も2050年を見据えた内容ですので、直近で取り組むことができなくても、将来に向けて検討いただければと思います」(佐藤氏)
~閉会の挨拶~
閉会にあたって、一般社団法人 全国スーパーマーケット協会 村尾芳久事務局長より挨拶がありました。
「我々、年次統計調査を行っていまして、その中で経営者の方の多くは、収益率に高い関心を寄せています。次の投資に対するものであったり、会社の存続価値であったりします。今日のメインテーマであった、高付加価値という言葉もただ品質のいい商品ではなく、環境や社会に対する取り組みも含めた高付加価値として、概念を変えていく必要があるのかなと感じました。そして、健康や環境でいつも問題になるのは、何が評価してくれるのかということです。どういう指標や基準が必要なのか、数字や評価項目を作ることも、業界団体である私たち全国スーパーマーケット協会の使命なのかなと感じました。最後に、2月18日にはスーパーマーケット・トレードショーもありますので、ぜひお越しください。本日はどうもありがとうございました」
~2025-2026第2回 推進協議会を終えて~
今回のディスカッションで印象に残ったのは「総論は賛成だけれど、各論ではお金を支払う生活者は少ない」という発言でした。2050年になるころには、生活者の意識も環境配慮や安全といった高付加価値に追いついていくのか、見守っていきたいです。
次回は、2025-2026第3回として、「店舗資産の価値最大化」をテーマに、2026年3月12日(木)に開催を予定しています。多くの小売業の皆様、ソリューション企業様のFuture Store “NOW”ご参画をお待ちしております。
- 登壇者:
- ファシリテーター:
- 主催:
- FSN運営事務局:
-
株式会社ローランド・ベルガー
シニア・パートナー
松本 渉 様BIPROGY株式会社
インダストリーサービス第一事業部 西日本営業部
野部 料一 様、相馬 大作 様 - FSNアドバイザー 佐藤 健一 氏
- 一般社団法人全国スーパーマーケット協会
- 株式会社博報堂プロダクツ
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(博報堂プロダクツ内)