Future Store “NOW”2025-2026
第1回推進協議会
開催レポート
「Future Store “NOW” 2025-2026第1回推進協議会」が、2025年11月13日(木)にエッサム神田ホール2号館(東京都千代田区)で開催されました。今回もインターネットライブ配信が行われ、オフライン&オンラインで小売業者様、ソリューション企業様がご参加くださいました。
今回は「顧客生涯価値の最大化(LTV Maximization)」をテーマに、外部有識者による講演やディスカッションなどを行いました。
※本レポートの内容は推進協議会実施時点の情報であり、各登壇者コメントの著作権は各社に帰属いたします。
~ご挨拶・アジェンダ説明~
開催にあたり、一般社団法人全国スーパーマーケット協会の事業部 担当部長・富張哲一朗より挨拶がありました。
「顧客生涯価値、ライフタイムバリュー(LTV:Life Time Value)は1990年代にアメリカで始まったそうです。なぜ今LTVなのかと言いますと、日本では人口減少が進んでおり、新規のお客様を獲得するのが厳しい状況にあります。そこで、既存のお客様にどうアプローチしていくか、お店のファンになっていただくか、長く愛していただけるお店をどう作っていくか、このあたりのヒントにLTVの考え方が紐づいてくるのかなと思います。本日もよろしくお願いします」(富張)
Future Store “NOW”事務局・三田裕道(博報堂プロダクツ)からは、式次第とアジェンダの説明がありました。
「前回のオープンセミナーで、2050年を見据えた注目すべき10個のテーマについてご説明しました。本日は、その1つである「顧客生涯価値(Life Time Value)の最大化」について議論いたします。第1部は基調講演として、『AIエージェントと暮らす時代、2030年の買い物はどう進化する?』をテーマに、博報堂買い物研究所様から講演いただきます。第2部は『ビジョン2050年への挑戦』として、顧客生涯価値の最大化に向けた具体的な内容について、Future Store ”NOW”アドバイザーの佐藤様からお話いたします。その後、第3部として、顧客生涯価値の最大化をテーマにディスカッションをさせていただきます」(三田)
AIエージェントと暮らす時代、2030年の買い物はどう進化する?
お客様と長期にわたる関係を構築し、顧客生涯価値(LTV)を最大化していくには、これからのお客様の購買行動がどのように変わっていくのかを理解しておく必要もあります。1つめのアジェンダは、博報堂買い物研究所 副所長の飯島拓海氏による講演です。
博報堂買い物研究所は、「売るを買うから考える」をスローガンに2003年から活動しているシンクタンクです。研究活動に加え、広告代理店の博報堂が支援しているお客様のマーケティング業務のサポートも行っているそうです。
生成AIの登場で変わる、お客様との接点
まるで人間と自然に会話をしているかのような受け答えで回答をしてくれる生成AI。この新たなテクノロジーの登場は数十年に一度のイノベーションと言われ、生活者の購買行動を大きく変える可能性があると飯島氏は言います。
「例えば、中古品を扱う大手小売のECサイトでは、生活者のニーズをくみ取って、商品を提案してくれる生成AIが導入されています。従来は生活者が『こういうものが欲しい』とニーズを自覚して検索していたと思いますが、このサービスでは『初キャンプで何が必要?』と抽象的に生成AIに聞くと、『こんなアイテムが必要になることが多いです』と、商品を提案してくれるのです。さらに『安いものでお勧めは?』と投げかけると『3,000円以下の商品を見つけました』と絞り込んでくれる。そんなやり取りが進んでいきます。キーワード検索ならヒットしなかったような偶然の出会いというのが生成AIによって生まれるのです」(飯島氏)
他にも、複数の口コミを要約することで効率的な情報収集をサポートする生成AIや、リアルタイムチャットで実店舗の接客を再現する生成AI、購入後の質問に答えてくれる生成AIなど、購入の「前」「中」「後」の各ステージで、生成AIの導入がお客様との接点を変えている事例を紹介してくれました。
AIエージェントの普及は、購買行動モデルを変える
先ほどの事例は、単一のタスクを処理してくれる生成AIの事例でしたが、複数の生成AIなどを駆使して、計画・実行・評価まで、複雑なタスクを目的に向けて自律的に一気通貫でやってくれる「AIエージェント」を導入する動きも出はじめているそうです。
「2025年は、多くのテック企業がAIエージェントに関するリリースを発表しており、海外ではAIエージェントをすでに導入する動きも出始めています。例えば、『夕食のメニューを考えて』と依頼すると、メニューの提案や材料のリストアップという『計画』から、必要な商品をショッピングカートに自動追加する『実行』、すでにストックがある食材は購入する必要がないので、生活者が購入する商品を仕分けると、その注文内容を記憶して次回に活用してくれる『評価』まで、一貫してやってくれるのです。こうした買い物の形は『Agentic Commerce(エージェンティックコマース)』と呼ばれています」(飯島氏)
博報堂買い物研究所では、こうしたAIエージェントが普及することで生活者の購買行動が劇的に変化するのではないか、購買行動モデル自体が変わっていくのでは、未来予測を行っています。次に紹介する「DREAM」です。
AIエージェント時代の購買行動モデル「DREAM」
AIエージェントを使って買い物がどう変わるのかを予想するにあたって、博報堂買い物研究所では、2040年の生活者像を描き、2040年の望ましい未来から逆算して2030年はどうなっているのかを予測したそうです。
「博報堂が保有する生活者データに93の未来トレンドと8つの未来シナリオを組み合わせて、2040年のバーチャルな生活者を再現し、彼らにインタビューを行いました。その中で出てきた5つの共通点を元に、新購買行動モデル『DREAM(ドリーム)』を導きました」(飯島氏)
〈新購買モデル「DREAM」〉
D:Dialogue(対話)…AIエージェントと本音で話す、対話する
R:Recommended(推奨される)…AIエージェントに候補を提示してもらい、自分で絞り込む
E:Experience(体験)…店頭やデジタル空間(VR・AR)で質感を体験する
A:Assurance(確信・承認)…確信し、後悔ない買い物選択をする。場合によってはAIエージェントに任せる
M:Management(管理)…AIエージェントに共有する情報を選び、アフターフォローを受ける
従来の購買行動モデルAIDMA(Attention Interest Desire Memory Action)やAISAS(Attention Interest Search Action Share)とDREAMが大きく違うのは、Dialogue(対話)、Recommended(推奨される)、Experience(体験)を納得するまでループで行う点です。
「対話と推奨を受けて体験することを繰り返していくことで、初めて買う商品でも『失敗がないだろう』と確信して購入することができますし、いつも買っている商品であればループを繰り返すことなく購入に至る可能性もあります。また、購入履歴や決済アプリの情報などから『この商品を買うなら翌月はこのぐらい生活を切り詰めないといけないよ』といったRecommendを受けることも考えられます」(飯島氏)
新購買行動モデル「DREAM」時代に予測される買い物変化
新購買行動モデル「DREAM」に沿った買い物例を紹介する中で、飯島氏は4つの購買行動に変化があると予測します。
知る:探し方は「検索」から「対話」へ。(新たな発見で満足感が高まる)
選択:「自分で決める」から「AIエージェントと決める」へ。(より直感的な判断が可能に)
試す:リアル+バーチャルの体験へ。(買ってからのがっかりが減る)
共有:顧客の声が「一部」から「みんな」へ。(極端な意見に惑わされづらくなる)
こうした変化は、検討期間が長い商品だけでなく、スーパーマーケットのような生活必需品においても影響があり、2025年の現在もいくつかの変化は起きていると飯島氏は指摘します。
・計画購買が増える?
生成AIにレシピ提案を依頼すると、家族構成や好みなどの対話内容から、どの食材をいくつ購入するべきか買い物リストを出してくれる。
・調べる機会が増える?
生成AIが商品を選ぶ観点を洗い出してくれるので、従来であれば検索もしないで店頭で見て感覚で選んでいた商品カテゴリーにおいても、悩みがある人は何でも生成AIに相談するようになる。
・質問対応が必要?
店頭やECで解決しなかった疑問も、生成AIに聞くと一瞬で解決してくれる。
・買い回りが増える?
チラシをスマートフォンで撮影して生成AIに投げると、この商品はスーパーマーケットで、この商品はドラッグストアで、というように賢い買い回りを提案してくれる。
こうした変化に対して、小売企業側からできるアプローチとして、アプリ活用が鍵を握るかもしれないと飯島氏はアドバイスします。
「博報堂買い物研究所が2023年に行った、スーパー、ドラッグストア、コンビニのアプリ活用に関する調査では、クーポンとポイントが利用目的の上位となっていました。例えば、アプリにチラシの情報を連携し、買い物リストを作成する場所になれば、生活者とAIとの対話がアプリ内で行われるわけですから集客効果もありますし、DREAM時代の買い物行動に応えられると考えています」(飯島氏)
購買行動モデルが変われば、KPIも変わる
生成AI、AIエージェントの普及は、従来のマーケティング活動にも変化をもたらすと飯島氏は言います。
「これまでは認知・検索・購入・シェアというファネルを追いかけるのが一般的でしたが、DREAMはファネル構造ではなくループ構造になるので、対話、推奨、体験を繰り返す第1ループと、確信・承認と会話まで含めた第2ループで考える必要があります」(飯島氏)
特に、生成AIに情報が共有されるほど、次の対話に登場する確率は上がる傾向にあるため、KPIも変わっていくと飯島氏は付け加えます。
「従来のように広く認知を獲得する、認知率を高めていくよりも、生成AIとの対話の中で自分の店舗の名前が出される可能性を上げていこうとか、実際に店舗で体験してもらう確率を上げていこうとか、お客様に店舗での体験をフィードバックしてもらう割合を高めていこうとか、DREAMの購買行動モデルにあわせたKPIの設定も必要になってくると思います」(飯島氏)
質疑応答の紹介
飯島氏による基調講演を受けて、会場で交わされた質疑応答の一部をご紹介します。
「生成AIの普及に伴う生活者の変化はわかりました。その際、店舗としてどういう対応をしていけばいいのか、お考えはありますか?」(A社様)
「AIエージェントとの対話を通じて、調べものをしたり、推奨を受けたりすると、かなり時短化されると思います。一報で、バーチャル生活者へのインタビューでも『ワクワクするために店舗に行っている』という声も多くありました。従来からずっと言われ続けていますが、店舗を魅力的にしていくというか、行きたくなる店舗づくり重要なんじゃないかなと私は考えています」(飯島氏)
「AIエージェントが出始めているということで率直に感じたのは、私を含め従業員はいらなくなってしまうのかと、危機感を持って聞いていました。ただ、匂いや手触りなど、いろいろな感覚もデジタルやバーチャルで代替できるようになっても、生鮮品はまだまだリアルの店舗の強みなんじゃないかなとも思いました。今はお客様の満足度を上げようと仕事に取り組んでいますが、なんとなくAIエージェントの満足度を上げなきゃいけない時代が来るのかなって思ったりもして、少し複雑な気持ちで聞いていました」(B社様)
「AIにとっていかに見やすい情報を提供するか、という観点も重要だと思います。検索エンジンのSEO対策(Search Engine Optimization)と似た概念としてAI Optimizationというのも出てきています。いかにして生成AIに自社ブランドを推奨してもらうかの対策をするというものです。そのためには構造的に自社の商品説明情報をサイトに掲載したり、ブランドとして大きく見せたりするということも必要だとも言われています」(飯島氏)
ビジョン「2050年への挑戦」〜 顧客生涯価値の最大化(LTV Maximization)のゴールイメージ
2つめのアジェンダは、先日のオープンセミナーでFuture Store “NOW”事務局が「2050年への挑戦」として注力すべき10のテーマのひとつ「顧客生涯価値の最大化(LTV Maximization)」に関するプレゼンテーションです。Future Store “NOW” DX推進アドバイザー・佐藤健一氏がファシリテーターを務めました。
顧客生涯価値の最大化(LTV Maximization)の実現に向けた10のゴールイメージ
冒頭、オープンセミナー(2025年10月16日開催)で提示した10のテーマなどについて振り返りを行い、その後、今回のテーマである「顧客生涯価値の最大化(LTV Maximization)」を実現するための、10のゴールイメージについての解説がありました。このゴールイメージは、自社の取り組みを数値化するセルフアセスメント(自己診断プログラム)の設問項目と連動しています。(10のテーマ×10のゴールイメージ=セルフアセスメントの100の設問と連動)
〈顧客生涯価値の最大化(LTV Maximization)の実現に向けた10のゴールイメージ〉
1. ライフソリューション提案能力(スーパーが家族の生活コンシェルジュに)
出産を検知したら自動で離乳食・ベビー用品を提案、介護が始まったら介護食・訪問介護サービスをセットで紹介。顧客が「困った」と思う前に、スーパーから最適な解決策が届く。食品売上の30%が生活関連サービス紹介手数料に。
2. ミールソリューション提案(献立の悩みゼロ、買い物ゼロの未来)
冷蔵庫の中身をAIが把握し、家族の好み・栄養バランスを考えた1週間分の献立を自動生成。ワンタップで必要食材が自宅に届く。共働き世帯の「今日の夕飯どうしよう」というストレスが完全消滅。ミールソリューション会員が全顧客の50%に。
3. コミュニティハブ機能(スーパーが地域の居場所に)
毎日、店内スペースで料理教室・ヨガ・子育てサロン・シニア向け健康講座が開催。地域住民同士が繋がり、「あのスーパーに行けば誰かに会える」が当たり前に。イベント収益が店舗売上の10%を占め、商圏内シェアNo.1の理由が「コミュニティ」になる。
4. インクルーシブな店舗体験(誰一人取り残さない店づくり)
外国人・高齢者・障がい者・ムスリム・ヴィーガン、誰もが「自分のための店」と感じられる。多言語AI音声案内、宗教食コーナー、車椅子で全エリア移動可能。人口減少時代に「すべての人を顧客にする」ことで商圏カバー率80%達成。
5. パーパス(存在意義)の伝達(理念で選ばれるスーパーへ)
「この店で買うことが地域への貢献になる」と顧客が実感。環境保護・生産者支援・地域雇用創出の取り組みがリアルタイムで見える化され、顧客が店のファンに。価格競争から脱却し、パーパスへの共感でNPS(推奨度)業界トップに。
6. ウェルネス機能(スーパーがかかりつけ栄養士に)
店内で管理栄養士が常駐し、生活習慣病予防・フレイル対策の個別相談を実施。購買データと健康データを連携し、「あなた専用の健康献立」を毎週提案。地域の医療費削減に貢献し、自治体から健康増進事業を受託。健康関連商品が粗利率30%超に。
7. 顧客共創の仕組み(顧客が商品開発チームの一員に)
優良顧客1万人が「商品開発コミュニティ」に参加し、新商品のアイデア出し・試食・改善提案を実施。年間20商品を顧客と共創開発し、ヒット率80%。「自分たちが作った商品」として顧客のロイヤリティが最大化。共創商品の売上が全体の15%に。
8. デジタル技術活用の新体験創出(未来の買い物体験を地方でも)
スマホをかざすだけで商品の産地映像・レシピ動画が再生。バーチャル店舗で深夜でも買い物可能。顔認証で入店→商品を取る→そのまま退店で決済完了。「買い物が楽しい!」という体験価値で、若年層の来店頻度が2倍に。デジタル体験目的の来店が20%を占める。
9. ポジティブな行動変容促進(ゲーム感覚で健康に、地球に優しく)
野菜を買うとポイント2倍、減塩商品で健康スコアアップ、マイバッグ持参で森林保全に貢献。顧客が楽しみながら健康的・環境配慮的な行動を続け、1年後には家族全員が健康診断A判定。行動変容プログラム参加者の年間購買額が非参加者の1.5倍に。
10. オムニチャネル対応(いつでも、どこでも、同じ体験)
チラシで見た商品をアプリで注文→店舗で受取。店舗で見つけた商品が品切れ→その場でEC注文→翌日自宅配送。顧客がどのチャネルを使っても「同じ○○スーパー」と感じ、ストレスゼロ。オムニチャネル顧客のLTVが店舗のみ顧客の3倍に。
「顧客生涯価値の最大化(LTV Maximization)を実現するために、地域スーパーマーケットが取り組むべき具体的なアクションを、さまざまな角度から10のゴールイメージとして用意しました」(佐藤氏)
また、例えば今年、2030年までの事業計画を作成する、5か年計画を作成するといった際は、2030年を見るのではなく、2040年、2050年の市場環境を見据えて準備する必要があると佐藤氏はアドバイスします。
「2050年のあるべき姿に対して、自社でカバーできない領域は、外部ソリューションとのマッチングができる仕組みも準備しています。スーパーマーケット協会の正会員様は無料で利用できますので、ぜひご活用ください」(佐藤氏)
顧客生涯価値の最大化をテーマに小売業者様とのディスカッション
3つ目のアジェンダでは、顧客生涯価値の最大化(LTV Maximization)の実現に向けた10のゴールイメージに関して、会場にいらしている小売企業様とオンラインでご参加いただいている小売業者様、ソリューション企業の皆様とのディスカッションが行われました。ファシリテーターは引き続き、Future Store “NOW” DX推進アドバイザー・佐藤健一氏が務めました。
10のゴールイメージの共有とディスカッション
それぞれのゴールイメージについて、自社で注力しているか、どのような取り組みをしているか、共有とディスカッションを行いました。たくさんの参画企業の皆様が回答くださったので、ここでは発言の一部をご紹介します。
1. ライフソリューション提案能力(スーパーが家族の生活コンシェルジュに)に関する発言
「コンシェルジュ機能を提供することで、優良顧客に育てていくことは、これから注力していきたいと思っています。以前は自社の会員システムがあり、そのデータを活用して優良顧客への還元施策を行っていましたが、他社が運営する共通ポイントに移行してからは、できていないのが現状です。どのようなアウトプットができるか、上層部で検討しています」(C社様)
「当社のグループ店舗では、『お客様のリクエストにNoを言わない』という方針で、アナログでウェットな接客を行っています。生活コンシェルジュにつながるかどうかはわからないですが、20年くらい前に日本でも流行った『お客様の名前覚えましょう』という取り組みを始めています。安さよりも、人と商品力で勝負する方針なので、売り場のレベルを上げながら、お客様に近いところで接客することは取り組んでいます」(D社様)
2. ミールソリューション提案(献立の悩みゼロ、買い物ゼロの未来)に関する発言
「ひと手間加えてすぐできるようなミールキットの拡充、冷凍食品の売り場拡大を行っています。一部の店舗にはクッキングコーナーがあり、そこでメニュー提案や調理方法の紹介、レシピの配布なども行っています。」(B社様)
3. コミュニティハブ機能(スーパーが地域の居場所に)に関する発言
「グループの複数店舗にコミュニティホールを設けています。1時間ごとの時間貸しで、町内会の集まりやセミナー、地域サークルの活動、料理教室などに使っていただいています。あとは掲示板の一部に行政からのお知らせを掲示するなど、地域の方の居場所になるような使い方もしています」(B社様)
4. インクルーシブな店舗体験(誰一人取り残さない店づくり)に関する発言
「外国人比率の高いエリアでは、アリペイやWeChatペイなど、外国の決済サービスも使えるようにしました。日本では閉店時に『蛍の光』の音楽を流すと、閉店時間だとわかりますが、外国人のお客様はわからないので、5か国語で閉店の店内放送を採用しています。お客様の満足度も高いですね」(B社様)
5. パーパス(存在意義)の伝達(理念で選ばれるスーパーへ)
「レジ袋の販売金額を高校生の奨学金にあてたり、お客様のご家庭から出た廃油を集めて町内循環バスを走らせたり、子ども食堂やペットフードドライブなども行っています。その結果、どうなりました、という情報発信までできていないので、そこは課題です。このあたりは7つ目の『顧客共創の仕組み』と重複する内容かもしれませんが」(B社様)
6. ウェルネス機能(スーパーがかかりつけ栄養士に)に関する発言
「栄養士の常駐はないですが、自治体の健康長寿医療センターと一緒に、お客様の健康意識を高めるアプローチについて共同研究をしています。研究成果を公式SNSで発信するなどして、健康に関する啓発をしています」(E社様)
7. 顧客共創の仕組み(顧客が商品開発チームの一員に)に関する発言
「自社のプライベートブランドで、当社のバイヤーが参加する商品開発は行っています。パッケージだけを変えるプライベートブランド商品ではなく、メーカー様とタイアップする形ですね。例えば、商品のアイデア部分だけでもお客様や地域と連携するといったこともできると思うので、今後進めて行きたいとは考えています」(B社様)
8. デジタル技術活用の新体験創出(未来の買い物体験を地方でも)に関する発言
「グループの店舗では、アプリで計測した歩数によってポイントを付与するアプリを導入していて、自分の店舗でも導入したいと考えています。ゲーム感覚の話かもしれません。あと、少し話は変わりますが、健康経営の優良法人を取得しようとしていまして、従業員の健康管理にデジタル技術活用を検討しています」(D社様)
9. ポジティブな行動変容促進(ゲーム感覚で健康に、地球に優しく)
「ゲーム感覚でお客様にインセンティブをつける施策は、何かできないかと検討していますが、まだできていません。環境への配慮は、食品ロスの削減やペットフードドライブなど、広い意味で廃棄を減らしていく取り組みは進めています。ただ、そこばかりになっても小売業の本文から外れてしまうので、いいバランスでやっていきたいです」(D社様)
10. オムニチャネル対応(いつでも、どこでも、同じ体験)
チラシで見た商品をアプリで注文→店舗で受取。店舗で見つけた商品が品切れ→その場でEC注文→翌日自宅配送。顧客がどのチャネルを使っても「同じ○○スーパー」と感じ、ストレスゼロ。オムニチャネル顧客のLTVが店舗のみ顧客の3倍に。
「資料の最後に賛助会員様が持つ機能の一部をまとめたシートを入れています。10のゴールイメージの実現に向けて、必要なソリューションをお持ちの賛助会員の皆様とのマッチング機能も準備中ですので、ぜひ期待いただければと思います」(佐藤氏)
~閉会の挨拶~
閉会にあたって、一般社団法人 全国スーパーマーケット協会 村尾芳久事務局長より挨拶がありました。
「本日の講演の中で、生成AIやAIエージェントに対して、どういうアプローチをしたらいいか、という話がありましたが、お客様の環境や技術、道具が変わるとお客様へのアプローチや各企業様が目指すKPIも変わります。まずはセルフアセスメントを試していただき、2050年に向けて何が足りていないのか、何が必要なのかを理解することが重要だと思います。まずはこの取り組みをご理解いただいて、皆様にご活用いただければと思っています。次回もよろしくお願いします」
~Future Store “NOW”2025-2026第1回 推進協議会を終えて~
今回は顧客生涯価値の最大化と、それに向けた将来の購買行動の変化に関するお話がありました。購買行動モデルの「DREAM」の説明で、生成AIに指名してもらうことが大事というのは、新たな気づきでした。
次回は、第2回として、「高付加価値化と利益率改善」をテーマに、2026年1月22日(木)に開催を予定しています。また、2026年2月18日(水)、スーパーマーケット・トレードショー2026の開催も控えています。多くの小売業の皆様、ソリューション企業様のFuture Store “NOW”ご参画をお待ちしております。
- 登壇者:
- ファシリテーター:
- 主催:
- FSN運営事務局:
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株式会社 博報堂
博報堂買物研究所 副所長
飯島 拓海 様 - FSNアドバイザー 佐藤 健一 氏
- 一般社団法人全国スーパーマーケット協会
- 株式会社博報堂プロダクツ
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(博報堂プロダクツ内)