Future Store “NOW”2025
オープンセミナー
開催レポート
「Future Store “NOW” 2025オープンセミナー」が、2025年10月16日(木)にTKPガーデンシティPREMIUM神保町(東京都千代田区)で開催されました。今回はインターネットライブ配信も行われ、オフライン&オンラインで小売業者様、ソリューション企業様がご参加くださいました。
今回のテーマは「2050年への挑戦」です。第1部は有識者による基調講演、第2部は10月15日に開催された「コーネル大学 リテール・マネジメント・プログラム・オブ・ジャパン」(主催:一般社団法人 全国スーパーマーケット協会)の振り返りと、小売業の現状と未来に関する提言、参加小売業様とのディスカッション、最後に今期のプログラム紹介という盛りだくさんの内容でした。
※本レポートの内容はオープンセミナー時点の情報であり、各登壇者コメントの著作権は各社に帰属いたします。
~ご挨拶・アジェンダ説明~
オープンセミナーの開催にあたって、一般社団法人全国スーパーマーケット協会の事業部 担当部長・富張哲一朗より挨拶がありました。オンラインとのハイブリッド開催ということもあり、初めて参加される方に向けて、2015年から始まったFuture Store “NOW”の趣旨と、今回のテーマについて触れました。
「Future Store “NOW”では、未来の小売業のために、今何をすべきかを協議しています。これまでの10年を振り返ると、大きなトピックは3つ。『人口構造の変化』、『テクノロジーの変化』、『持続可能な社会』です。特に『人口構造の変化』は影響も大きく、今後30年で2400万人が日本からいなくなると言われています。この数は台湾やオーストラリアに匹敵する数です。それだけの人口がいなくなる未来に向けて、小売業は何をやらなければいけないのでしょうか。
今回、2050年という遠い未来を設定していますが、2030年、2040年という歩みがあっての2050年だと思います。さまざまな知見、ソリューションを持った方々をお迎えし、学びを深めていきましょう。
全国スーパーマーケット協会には、約300社の正会員がいます。多くは地域に根ざした小売業者様です。これからも企業規模を問わずに、いろいろな視点から、いろいろな議題を立ち上げていきます。コロナ禍以降、顔を合わせて協議をする重要性も感じていると思います。オンラインで参加の皆様、次回以降はぜひ会場にお越しいただき、横のつながりを持って、協議できればと思います。本日はよろしくお願いします」(富張)
Future Store “NOW”事務局・三田裕道氏(博報堂プロダクツ)からは、式次第とアジェンダの説明がありました。
「第1部として、PwCコンサルティング合同会社による『2050年への挑戦』の基調講演。第2部は、Future Store “NOW”推進協議会の参画企業の皆様と『2030年、2040年、2050年のあり方/歩み方』に関するディスカッション、Future Store “NOW”事務局からの今期のプログラム紹介、最後に村尾事務局長からご挨拶をいただきます」(三田)
2050年に向けて、小売業は何に備えていくべきか
1つ目のアジェンダは、PwCコンサルティング合同会社 Strategy Consulting Future Design Lab の担当執行役員・パートナーの三山功氏、Consumer Wellness Directorの中野翔太氏による基調講演「2050年への挑戦」です。
AIが人類の知能を超えて動き出す“シンギュラリティ”が、もうすぐやってくる
シンギュラリティとは、AI(人工知能)が自発的に動き出し、人間の知能を越える瞬間がやってくるという考え方です。専門家の間でも意見は分かれていますが、アメリカのある学者は2045年ごろだと予測しています。
「生成AIやショッピング・エージェントなど、2023年から2025年ごろにAI技術が急速に進化しています。AIがもたらす変化は大きく、今から10年後の2035年を見ても、いろいろ変わっていくのではないかと考えています」(中野氏)
今回の基調講演では、一足飛びに2050年の社会状況を予測するのではなく、今らから10年後の2035年を「ニア・シンギュラリティの時代」と位置づけ、そのころ社会で何が起きているのか、そして2050年へ向けてどのようなアクションを取るべきかの提言をいただきました。
小売業の持続可能性に対する警鐘
小売業の売上げは主に、商圏生活者と、その商圏生活者の購買経験率、世帯あたりの購買金額で決まります。
中野氏による試算では、2030年までに日本の人口は137万人減少し、それによる1世帯あたりの食糧支出は7700億円に上り、都市型スーパー1企業の1年分の売上げに相当する金額だそうです。
「世帯の購買金額を上げていくには、お財布に占める食糧支出の割合を増やしていく必要があります。しかし、40〜50代の世帯をピークに、60代以降の世帯では食糧支出は減少していくのが一般的です。お財布も小さくなりますし、食事量の減少など食費にかける割合も減っていくからです」(中野氏)
さらに、原価や人件費の高騰も、スーパーマーケットの持続可能性にかかる課題だと中野氏は言います。
「原価が上がった分を売価に転嫁できている割合は、30〜40%という統計もあります。原価が10円上がった際に、売価に転嫁できるのは3〜4円というのが一般的なようです。そして人件費も2019年からの5年で2.4%上がっている統計データもあります」(中野氏)
ゲームチェンジをする米国小売業
一般的に、小売業のビジネスモデルには、営業収益と従業員数が相関する関係にあります。しかし、米国大手小売業では、従業員数を増やさなくても、あるいは、減少していても、営業収益を向上させているそうです。そこに大きく関与しているのが、AI活用だと中野氏は言います。
「日本ではまだPoC(Proof of Concept)の実験段階ですが、米国ではAI活用を前提とした組織や事業、業務プロセスを変容させている段階にあります」(中野氏)
スライドでは、Walmartが発表したAI活用のポイントを引用しながら、米国大手小売業で採用されているAIの活用事例をご紹介いただきました。
具体的には、バイヤーや従業員の業務支援、サプライヤーとの商談の自動化、天候データなどから生成食品の生産量や価格変動を予測するシステム、商品マスター情報の自動作成、センサー技術を活用した設備の故障予測や防犯対策、購買履歴に基づく食事指導、物流拠点での品出しや梱包のロボット活用、効率的な配送ルートの提示などです。
「今後はAIやデジタルを活用した変革は必要不可欠だと思います。先行している米国の好事例は、日本企業も参考にしていくべきだと考えます」(中野氏)
パーソナル・ショッピング・エージェントの登場
米国大手小売業の“Rufas“や”Buy for me“、”Sparky“など、近年、生活者の購買行動を支援・代替するAIエージェントが、多くリリースされています。中野氏によると、米国では多くの人がAIによる自動購買に好意的であるという調査結果も出ているそうです。
「アメリカの状況が日本にそのまま当てはまるわけではありませんが、2030年、2035年という時間軸で考えると、こうした流れは日本にもやってくると思います。また、AIによるショッピングアシスタントの時代では、生活者の購買行動も大きく変わり、これまでのAISAS(Attention=認知、Interest=関心、Search=検索、Action=購買、Share=共有)モデルから、FARAI(Find=探す・提案する、Assess=評価する、Request=依頼する、Arrive=届く or Action=行動、Interact=対話する)モデルになっていくことが考えられます」(中野氏)
2035年の購買者像
AIは消費者の購買行動を変容させる強力なツールですが、購買の主体はあくまで生活者です。世代・時代の変化に伴う生活者の価値観・行動規範の変化を捉える必要があります。中野氏は購買行動による生活者セグメントの自社調査データ(2024年)を紹介・解説しました。
〈現在(2024年調査)の購買行動による生活者セグメント〉
1.お得情報を活用する買い物上手(クーポンやDMを上手に活用)
2. 合理的で先鋭的なオムニ購買者(ECで調べて店頭で試す)
3.実店舗での買い物好き(店頭商品の味や鮮度、豊富な品揃えに期待)
4.経済を支えるトレンドフォロワー(家族や友人、販売員に進められて購買)
5.買い物が億劫なミニマムショッパー(こだわりがなく、主にECを活用)
6.必要最低限の調達者(こだわりがなく、出かけたついでに購買)
世代別の価値観やSNSなどによる行動変化も、生活者の変化を読み解く上で欠かせない要因だと三山氏は付け加えます。
「これから10年後の2035年は、ミレニアル世代が39〜53歳になり、社会的・経済的影響力を持つ存在になります。また、Z世代は25〜39歳になり、消費の中心となります。α世代も消費のステージに入ってきます。コストパフォーマンスよりもタイムパフォーマンス、“映える“よりも”リアル“、社会貢献やエコへの意識など、各世代の価値観も購買行動に反映され、先ほどの6つの生活者セグメントも変わっていくと思います」(三山氏)
そう言い、2035年の購買者像を提示しました。
〈2035年、パーソナル・ショッピング・エージェント時代の購買者像〉
A.トラディショナルショッパー(AIに頼むより自分で買い物をしたほうが早いと考える伝統的な購買者)
B. AI共生スマートセレクター(AIを活用し効率性を追求しながらも、最後は自分で決める共生型)
C. フィジタルプレイヤー(フィジカルな店頭体験にデジタル体験を融合させ、買い物にエンタメ性を求める)
D.自己表現型創作者(日用品はAI活用で効率的に。自己表現や推し活に意欲的に消費)
E.AIへの購買委託者(日常のルーティン購買はAIが代行。買い物の手間から解放されたい)
F.AIプレイフル・アルファ(AIネイティブ世代。AIと一緒に買い物を楽しむ)
「従来の販売方法を維持・効率化するだけでなく、AIによる商品選択プロセスを見える化したり、AIウケする商品説明を用意したり、遊べる購買体験なども求められるでしょう」(三山氏)
未来に対する備え
AI購買の普及以外にも、食糧や水の持続可能性危機、エネルギーコストのチルド・冷凍食品への転嫁、都市と地方での配送インフラ格差など、将来小売業を待ち受けている環境変化は他にもあります。その中でも、今からできることを仕込んでいくことが大事だと三山氏は言います。
「本日は悲観的なシナリオもお伝えしましたが、『人口が減るからもうダメだ』ではなく、『人口も減るけれど生活者の質が変わったことに新しい活路を見いだしていこう』としていただければと思います。未来を捉える論点としては、中核価値を再定義した上で、店舗運営・新規出店・マーチャンダイジング、顧客体験の最適化といった基盤を強化するとともに、従業員の体験向上、生活者に向けた提供価値の向上と、その結果として起こる企業価値の向上、それらをデジタルとAIで下支えする全体像を描くことが重要だと考えます」(三山氏)
中野氏も続きます。
「中期経営計画を立てるにあたって、外部環境を捉えることはこれまでと変わらないと思います。定量目標として、人口減少によって自社の商圏における影響を確認しながら、戦略を立てていくことが重要だと思います。本日、AIのことを多く語りましたが、AIは大企業だけのものではありません。クラウドを活用すれば、データ容量による従量課金になるので、優先順位を決めて経営規模に応じた活用は可能だと思います」(中野氏)
提言を受けての意見交換
PwCコンサルティングの基調講演を受けて、参画企業の皆様からは、さまざまな質問が寄せられました。ここではひとつご紹介します。
「AIを使う際に、各社の提供内容が平準化していくなど、独自のオリジナリティを出しづらいのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。また、米国大手小売業の例もありましたが、AIへ投資できる費用や開始時のイニシャルコストを考えると、大きい企業のほうが有利に感じます。中小中堅企業へのアドバイスはありますか」(A社様)
中野氏は、「小売業の個性として品揃えや商品開発などが注力ポイントであることは変わらない」としたうえで、次のように回答しました。
「AIへの投資を長期的な視点で見ると、従業員の確保やさまざまコスト高騰といった課題解決に役立つため、企業運営の体力をつけることにつながると思います。2050年という時間軸で見たときに、AI活用はその第一歩になると思います。イニシャルコストについては、各社様の企業運営を下支えするものとして、非競争領域における共同活用、全国スーパーマーケット協会内でも商圏が被らない企業様同士による共同出資というやり方も考えられます。また、AIへの投資を決める前に、チャットGPTなど無料のツールを活用して慣れながら、今のうちから使い道を考えていくのもいいと思います」(中野氏)
2030年、2040年、2050年のあり方/歩み方
第2部は、「2030年、2040年、2050年のあり方/歩み方」として、10月15日に開催された「コーネル大学 リテール・マネジメント・プログラム・オブ・ジャパン」(主催:一般社団法人 全国スーパーマーケット協会)の振り返りと、日本の小売業の現状と未来に関する提言、参加小売業様とのディスカッションを行いました。
ファシリテーターは、Future Store “NOW” DX推進アドバイザー・佐藤健一氏が務めました。
海外のトレンドと地域スーパーマーケットへの提言
「コーネル大学 リテール・マネジメント・プログラム・オブ・ジャパン」(主催:一般社団法人 全国スーパーマーケット協会)の振り返りとして、佐藤氏から海外トレンドの紹介と日本市場への提言がありました。
1つ目のトレンドは、高所得者と中・低所得者で、購買行動の二極化が進んでいる点です。米国では高所得者は健康志向の高まりからプレミアム価格帯の生鮮品の購買が伸びている一方で、中・低所得者は必需品以外への支出を削減したり、クーポンやセールを活用したりする割合が高くなる傾向が見られました。高付加価値ゾーンの商品と、バリューゾーンの商品というように、お客様のセグメントごとに戦略を明確化する必要があると佐藤氏は提言します。
2つ目のトレンドは、デジタルの浸透です。対話型AIの提案を受けて買う商品を決める購買行動の変化、チャットGPTによる決済、店内の価格もダイナミックプライシングのように1日の中で何度も価格が変わるようなこともトレンドになっているそうで、デジタル技術の活用が、競争優位性の構築につながるとアドバイスします。
3つ目のトレンドは、地域密着型のアプローチです。スーパーマーケットが地域のインフラ機能を果たすことで、大手との差別化を図っていました。高齢者の買物代行や地域コミュニティのハブ機能など、高齢化社会を迎えた日本では効果も見込めると佐藤氏は言います。
4つ目のトレンドは、小売業によるレストラン需要の取り込みです。Walmartが「What’s for dinner tonight?(今日の晩ご飯は?)」キャンペーンを展開しているのもそのひとつ。ファストフードのようなQSR(Quick Service Restaurant)の競合として、コーヒーやチキン、メキシコ料理が成長しているトレンドもあるようです。惣菜や弁当の品質向上やメニューの多様化など、日本市場でも参考にしたい点とのこと。
さらにALDI(ドイツ)は主力商品の90%以上をプライベートブランド(PB)化するなど、収益性を向上させていることに着目。PB商品の拡充や、オペレーション改革による効率化は、日本の地域スーパーマーケットも見習いたい点だと提言しました。
日本の小売 現状と未来について
続いては、10の重要経営課題について、2030年、2040年、2050年に、どのように変化していくかという未来予測のレポート報告です。2025年を100として、事業環境指数という形で算出されました。
〈10の重要経営領域〉
1.人件費コントロールの容易性(利益によるコスト増の吸収力)
2.物流コストのコントロール容易性(物流費の抑制力)
3.エネルギーコストのコントロール容易性(エネルギー費の抑制力)
4.人材確保の安定性(計画的な人員充足力)
5.国内サプライチェーンの安定性(国産品の安定調達力)
6.既存店舗フォーマットの有効性(集客・販売モデルの競争力)
7.市場(売上)の持続可能性(人口動態に基づく事業規模)
8.標準MD(商品政策)の有効性(画一的品揃えの訴求力)
9.既存事業の競争優位性(同質化競争からの脱却力)
10.財政的余力:投資先送り許容度(現状維持の持続可能性)
2050年に事業環境指数が半数以下にまで下がった項目は、2つありました。ひとつは「6. 既存店舗フォーマットの有効性」で、EC化率の上昇と来店頻度の低下により、2050年の指数は50にまで低下すると予測。もうひとつは「10. 財政的余力」で、2050年の指数は全体で最低の40でした。あらゆる業務でテクノロジー活用が前提となった時代には、テクノロジーに投資できない企業は事業存続が厳しいことを意味すると佐藤氏は言います。
一方、下げ幅が最も少なかったのは「7. 市場(売上)の持続可能性」で、2050年の指数は17ポイント減少の83でした。
佐藤氏は今回の未来予測を通じて、次の3つの経営変革を提言しました。
〈未来の事業環境を乗りこなすための3つの経営変革〉
1.徹底的な生産性革命による「利益構造の再構築」
2.事業ドメインの再定義による「新たな市場の創造」
3. 地域共生モデルによる「持続可能な事業基盤の確立」
第2部の提言を受けて、参画企業の皆様からさまざまな感想や意見が出てきました。
「いろいろな提言をいただいて『急がなければ』と、素直に感じました。未来予測の6番目にあった『既存店舗フォーマットの有効性』に関しては、多くの店舗で品揃えや価格、施策も大体統一されていますが、市街地の店舗と、村や町の店舗では、店舗のフォーマットや品揃えも変えていく必要があるなと思いました。また、4番目の『人材確保の安定性』では、レジのチェッカーさんが集まっていただけないので、セルフレジの導入で人時売上高を上げています。すべてを機械化に頼ることは難しいですが、一つひとつの数値を確認し、目標を持って機械化やAI化に取り組んでいく必要があるなと感じました」(A社様)
「アメリカでは、人と商品に投資してきた企業、システムと物流に投資してきた企業、その二極化が起きていると思います。地域スーパーマーケットは前者のように、人と商品に投資して、サービス品質を上げることで、売上げをあげていく方向性がいいのかなと感じています。また、地域密着型の営業や、店舗の社会的責任を考えると、地域の雇用を創出する観点からも、人と商品に投資してトップラインを上げていくのかなと思いました」(B社様)
「7番目の『市場(売上)の持続可能性』については、地方では行政サービスが十分に行えない地域も出はじめています。2040年には現在の6割、道路の雑草も刈れない、救急車を呼んでもすぐに来ない、という状況になります。基調講演にもありましたが、商圏における人口という点でも、都市部に集まっていただかないと、営業が成り立たなくなってしまいます。そうした時代に向けて、ワンストップで生活のすべてが賄える拠点をつくっていけたら、と考えています」(B社様)
自己診断プログラム、セルフアセスメント
2050年、日本の社会構造は劇的に変化します。そうした変化を脅威ではなく、機会と捉え、参画企業の皆様が未来を勝ち抜くための羅針盤になることをFuture Store “NOW”は目指しています。そこで、各社ごとに置かれた環境の違いを明確化するために作成したのが、セルフアセスメント(自己診断プログラム)です。
佐藤氏からは、セルフアセスメントの構想と、設問項目や使い方の説明がありました。
「Future Store “NOW”には、1000社を超えるソリューション企業様がいます。各小売業様が抱える課題が可視化できれば、ソリューション企業様とのマッチングは容易になっていきます。そのためにも、自分たちが置かれている状況を把握する必要があります。また、全国スーパーマーケット協会が主導して行うため、約300社の正会員のデータが集まり、統計的に価値あるデータになります。全国平均や全企業との比較もできるようになります」(佐藤氏)
実際にご回答いただいた参画企業の小売企業様からは、さまざまな意見が出てきました。
「100の質問に回答してみて感じたのは、すべてに回答するには相当な時間と情報が必要だということ。各セクションの長であっても、答えられない部分はあると思うので、担当者個人というよりは企業単位で回答していく必要があると感じました。結果に関しては、自社で何ができていて、何ができていないのか、また他社様と比較できるのは、とてもメリットがあると思います」(C社様)
「例えば、社長が1人で回答するわけではなくて、各部署の責任者に回答を依頼して、最終的に企業としてまとめるというのが一般的なやり方だと思います」(佐藤氏)
「私も3時間くらいかけて100問回答してみました。結果を見たときに『小さな円だな』と思ってしまいましたが、逆にチャンスがいっぱいあると思いました。これからどういう手を打って、どう数字が変わっていくのか、しっかり追いかけていきたいです」(A社様)
「5段階評価で評価するのは、少し難しかったです。完全に達成していると言うには恐れ多いと思う設問もありましたし、未検討ではなく実施しないと決めている施策はどこにチェックを入れていいのか迷いました」(D社様)
「当社はフランチャイズでもあるので、ブランドとしての方針など、答えられない項目もありました。当社が独自にできる内容を回答しました」(E社様)
「どんな質問にどう答えたか、社内でも共有していきたいです。とてもいいプログラムだと感じました」(B社様)
このブロックの最後に、一般社団法人 全国スーパーマーケット協会 事務局長の村尾芳久、事業部 担当部長・富張哲一朗からは、セルフアセスメントをつくるに至った経緯や狙いについての話がありました。
「Future Store “NOW”が始まった理由のひとつに、小売業の業界としてDXやテクノロジーの活用が進んでいないという課題感もありました。約300社の正会員様と、サポートをいただいている約1000社のソリューション企業が、うまくコミュニケーションを取るための機会をつくることが、我々の最大のサービスだと思っています。自分たちの立ち位置を知り、何をやるべきなのかを知るための発端になれば、というのが意図です」(村尾)
「各企業様が目指すビジョンをある程度可視化しながら、それに対してどういうソリューション提案が有益なのかを測る意味でも、まずこれをスタートラインにさせていただきたいと思っています。現在はβ版ですので、多くの皆様のご意見をいただきながら、2月のスーパーマーケット・トレードショーでローンチできるようシステム構築をしていきます」(富張)
今期のFuture Store “NOW” プログラム紹介

事務局の三田裕道氏から、今期のプログラム紹介がありました。
「第1回の推進協議会は『顧客生涯価値最大化』をテーマに、神田駅周辺で11月13日にオフライン・オンラインのハイブリッド開催となりますので、ぜひご参加いただければと思います。今期の推進協議会は、10個のテーマに合わせて計10回の開催を予定しております。各会での講演やテーマごとのディスカッションを予定しており、開催日程につきましては、後日、Future Store “NOW”ウェブサイトにも掲載させていただきます。皆様のご参加をお待ちしております」(三田)
最後に、一般社団法人 全国スーパーマーケット協会 村尾芳久事務局長より挨拶がありました。
「先ほどのセルフアセスメントは、経営に関係する皆様で話をするのもいいですね。『会社としてどうするのか?』、『これはどうなっている?』と、社内のコミュニケーションを助けるツールになると思います。個人的には第1部の基調講演は興味深く、今後の可能性も感じました。ぜひ配信をご覧の皆様もリアルでご参加いただいて、いろいろなお話を聞かせていただければと思います。長時間ありがとうございました」(村尾)
~オープンセミナーを終えて~
今年は「人口の2025年問題」、「2025年の崖」など、小売業界にも影響を与えそうなキーワードが注目を浴びています。第1部の基調講演や第2部の未来予測にもあったように、特にDXやAI、テクノロジーへの対応は、将来の企業の存続にかかる大きな課題となりそうです。自社にとっての最適な施策を見極めるためにも、セルフアセスメントは大切だなと感じました。今回、回答いただいた参画企業からさまざまな意見が出てきたので、ブラッシュアップされた正式版のリリースが楽しみになりました。
次回(第1回 推進協議会)は、2025年11月13日の開催を予定しています。多くの小売業の皆様、ソリューション企業様のFuture Store “NOW”へのご参画をお待ちしております。
- 登壇者:
- ファシリテーター:
- 主催:
- FSN運営事務局:
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PwCコンサルティング合同会社
Strategy Consulting Future Design Lab Partner
三山 功 様PwCコンサルティング合同会社
Strategy Consulting Future Design Lab Partner
中野 翔太 様 - FSNアドバイザー 佐藤 健一 氏
- 一般社団法人全国スーパーマーケット協会
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